11年

あの日から11年。

もう11年も経ったなら忘れてもいいじゃん。忘れたいことだってあるよ。

でも、やっぱり忘れることはできないですね・・・。

 

今日の新潟市はポカポカと春のような暖かさ、空も晴天でとても気持ちのいい一日でした。

なのに思い出すのはあの日の雪。

地震が起きた後にテレビから流れてきた津波の映像は雪が舞っていたのをよく憶えています。

 

緊迫が続くウクライナ情勢、先日はロシアが占拠したチェルノブイリ原発で電源が喪失したというニュースがあり、現在は電源が回復して冷却はできているという話ですが、最初に聞いた時はかなりヒヤヒヤしたし、やっぱり福島第一原発のあの当時を思い出してしまいました。

11年も経ってまだ電源喪失なんて言葉を耳にするなんて。

 

自然災害は人間の力で防ぐことはできないけど、戦争や原発事故は防げるのに。 

11年経って世の中はいろいろと変わってきたようでいて、人間はさっぱり学習してないような気もして、なんだか複雑ですね。

それでも、

この11年、家族が無事に生きてこられたことに感謝です。

 

クロスカブ

 

戦争と原発

ロシアのウクライナ侵攻からもう1週間が経過していますが、停戦協議が難航しているのか戦火が止む気配はありません。

その間にも何の罪もない多数の民間人が犠牲になり、歴史ある街並みがガレキと化していっています。

戦争は犠牲ばかりで何も生まない。報道を見る度に空しさと悲しさに襲われます。

 

この1週間余りの間に日本ではこの戦争をめぐって日本も核武装するべきだなんて話が一部から出ていました。

ウクライナもかつては核を持っていたのに手放したから侵攻されたんだ、という主張もあるようですが、核を持っていたら他国の侵略を受けないという保証はありませんし、今回のロシア(というかプーチン)の様子を見ていると相手が核を持ってるかどうかはあまり問題ではなく、これだけ世界中から非難されるのをわかっていながらこんな蛮行をするのですから、もはや理論とか理性とか常識とか失っているような気がしますし、そんな相手では核の抑止力とかほぼ無意味に思えてなりません。核大国であるアメリカですら、核攻撃はおろか武力行使だけでも第三次世界大戦に発展する可能性があると手出しができない状況で、それをいいことにロシアは好き勝手やってるわけですし。

そもそも、日本がもし核武装すると宣言したら世界はどう思うでしょうか。

日本に近い中国、北朝鮮、そしてロシアはアメリカの同盟国である日本の核武装なんて話が出た時点で猛反発でしょうし、本気で核武装するということになれば配備される前につぶしてしまえとウクライナのように軍事侵攻されるかもしれません。

日本に好意的な国でも、世界で唯一の被爆国である日本は核廃絶のリーダーシップをとるべき国であり、核保有なんてとんでもないと非難と失望の嵐でしょう。ロシアの愚行を見た今であれば尚の事です。

核を持たずに専守防衛だなんてお花畑だ、という人もいますが、他国に配慮ナシで核武装できると思ってる考えの方がお花畑かもしれません。

 

そして更に恐れていたことが。ロシアがウクライナにあるザポリージャ原発を攻撃、制圧したという報道がありました。

ウクライナと言えば1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発があり、ロシア侵攻の早い段階でチェルノブイリも制圧されました。その時でも攻撃による放射能汚染の危険性が言われていたのに、ザポリージャ原発に至ってはもし放射能漏れ事故に発展したらチェルノブイリの10倍の規模になるという話もあり、そこを武力攻撃するなんてもう正気の沙汰ではありません。万が一原子炉が爆発して放射性物質が漏れたらウクライナはもちろん、ロシアやEU域内まで広範囲に汚染される可能性があります。

当初の思惑が外れたプーチンはもう自暴自棄になってるのでしょうか。さすがにここまではやらないだろうと思われていたことを軽々と超えてくる暴走列車を止める術はないのでしょうか。

 

これでわかったことは、軍事面で自国内にある原発はリスクになるということ。

前から日本の原発もテロ対策ができているのかって話はありましたよね。福島第一原発事故を起こした東京電力が管理する柏崎刈羽原発はご存知のようにこの10年の間にもボロのオンパレードなユルユル管理体制なので、プロの軍隊なら秒で制圧できるかもしれません。

一旦制圧された原発は核爆弾を背負った要塞になります。攻撃して奪還したくても原子炉にキズを付けるわけにいかないので手段が限られ、当然相手も核爆発に巻き込まれるリスクは負いますが、圧倒的有利に敵陣にベースを作ることができます。日本の原発は全て海沿いですから海からの侵攻も容易で、制圧後は海から補給を続けることで原子炉を背中にいくらでもミサイル打つことができ、仮にやられたとしても原子炉を破壊して自爆すれば日本を壊滅レベルに追い込むことができるわけです。

もう、考えただけで怖いです。

日本の核武装を語ってる方はここまで想像できてるのでしょうか。

核なき自衛はお花畑だと言うなら、まずは一番のリスクである原発を何とかするのが先決ではないですか?

 

そもそもの話として、

戦争には反対です。

 

東日本大震災から10年

今日で東日本大震災から10年となりました。

上の写真は正に10年前に撮ったもの。3月になったのにまだ雪ですかぁとガレージで撮ったこの数時間後にあの地震が起きました。

このブログも10年以上続いていることもあって、当時の気持ちがブログで残っています。

10年という長い年月が経ち、当時小学生だったウチの子どもたちもすっかり大きくなったことで時の長さを実感するのと同時に、10年も経ってるのにまだ故郷に戻れない人がいたり、原発事故だって終息の目途すら立ってないというのが悲しく思います。10年という区切りだって数字だけの話で、昨日と今日、今日と明日で何かが大きく変わるわけじゃないし、何かが終わるわけでもない。あの時、自分の人生において想像もできなかった大きな災害は10年経ってもまだ続いています。

コロナの影響で開催が危ぶまれている東京オリンピックにしたって、前は復興五輪だなんて叫ばれていたのが、会場建設で東北から人と資材・機材が消えてむしろ復興を阻害していたし、今となってはコロナ対策最優先で東北だの復興なんてキーワードはすっかり沈んでしまいました。

懸念の原発事故は予定ではそろそろ燃料デブリの取出しが・・・なんて時期のはずでしたが触ることすらできず、それでも現場で必死の思いで廃炉作業に取り組んでいる作業員の皆さんには感謝してもしきれないくらいなんですけど、一方でそれを統括する東京電力はあれだけの事故を起こして、テレビCMで事故を教訓に地震・津波対策に取り組んでいるなんてキレイ事を並べながら、やるべきことをやらないで隠蔽したり、あってはならないトラブルを起こしたり、内情はまったく反省の色なんてありません。10年経っても何も学べない企業に原発を動かす資格なんてあるはずもなく、2度目の大事故を起こす前に原発事業から撤退させるべきだと思います。

 

10年前、「絆」というワードが日本中に溢れました。

震災当時は日本中がみんなで助け合って、正しく「絆」というものを体現していたように思いますが、いつしか絆と称して真逆の行動をするケースも見られたりして、あの頃は絆という言葉がだんだん薄っぺらいものに感じるようになっていました。

10年経ってコロナ過の今、この国の政府が国民に向けて行っている対応というのが誰を守るためだか知りませんがあの頃の絆のようにあらためて薄いな~と感じるのは私だけでしょうか。

やっぱりね、愛が足りないんですよ、愛が。

困っている人を助ける、悲しい想いをしている人に寄り添う、10年前に当り前にあった人と人との優しさ=愛が、今の政府の10年にどれだけあったか。

この10年の間に東日本大震災以降も度々起こった地震や水害・台風などの数々の災害で私たちの災害対応スキルはかなり上がってきてるように思います。困った時に助け合う国民性もちゃんと根付いていると思います。しかし、このコロナ過において公助の前に自助・共助を真っ先に持ってくる政府の姿勢ってどうなの?って思うのですよ。自助は言われなくてもやるから、あなたたちの役目は公助でしょ?って、間違ってますか?

 

この先の10年後、「絆」という言葉がふさわしい優しさで溢れる国になっていてほしいなと思います。

そして、それを決めるのは政治家ではなく、私たちです。

 

女川原発2号機再稼働は撤回せよ

福島第一原発事故からあと数ヶ月で10年になるこのタイミングで、宮城県の村井知事が女川原発2号機の再稼働に同意したというニュースがありました。

東日本大震災の被災地でまた原発を動かそうという発想自体が私にとってはありえないし、被災自治体の長がそういう判断をするのは論外だと思います。

村井知事は「原発がある以上、事故が起こる可能性はある。事故があったからダメとなると、すべての乗り物を否定することになる。」とのコメントを出してますが、まったくもってアホな話です。もちろん原発事故はダメで乗り物の事故はOKだなんて言うつもりはありません。どんな事故も無い方がいいに決まってます。ただ、自動車事故と原発事故では影響を及ぼす規模が大きく違います。飛行機事故でも船舶事故でもそう。メルトダウンまで行けばどうなるのか、私たちは9年前に見せつけられたし、その後の悲劇も充分知ってしまいました。東北の方なら尚の事、身に染みてわかっているはず。

もしこれでまた事故が起きたら今度は誰が責任を取るのでしょう。村井知事は責任取りませんよね?東北電力もまた東京電力のように責任逃れですよね?原発が動くことで経済的恩恵を受けるのは地元であると同時に、事故が起きれば満足な補償も得られないまま故郷を失うのも地元です。福島の皆さん、誘致したのをとっても後悔してましたよね?それを隣で見てきて宮城の知事はどうしてまた動かそうなんて考えに至るのでしょう。

結局また命よりカネ、ですか。

村井知事は再稼働同意を撤回するべきだし、しないなら宮城県民の力で知事を辞職に追い込むべきです。

 

ナメきってる東電

先日、東京電力が柏崎刈羽原発について「6・7号機の稼働後5年以内に一部の原発の廃炉を検討する」という方針を明らかにしました。

廃炉に言及したことで一瞬脱原発へ前進したように見えて、6・7号機の再稼働前提ですから到底受け入れられるものではありません。

そもそも

「6・7号機の稼働後5年以内に一部の原発の廃炉を検討する」

というのは言い換えれば

「6・7号機を再稼働させてくれたら一部の廃炉を考えてやってもいいぜ?」

ということ。

さらに「廃炉を検討する」ですから、「検討の結果、廃炉しないことにしました」でもOKということ。

要は何が何でも6・7号機は再稼働させろ、ということしか言ってないんですな。

東電はどこまで市民をナメてるんでしょうかねぇ。

こういう姿勢のままであれば、どんな条件あっても東電に原発を動かさせてはいけないですよ。万が一事故が起これば福島第一原発事故と同じようにまた無責任に逃げるだけですから。

少しは企業としての姿勢を見直すという発想はないんですかね?