新潟5市の瓦礫焼却

 

新聞・テレビ等の報道でご覧になった方も多いでしょう。

新潟県内5市で受け入れるとしていた震災瓦礫広域処理量は当初の6300トンから300トンへと大幅に減り、試験焼却を実施していない新潟市と新発田市は本焼却を見送り、試験焼却実施済みの長岡市・三条市・柏崎市の3市で今年度内に焼却すると発表がありました。

受入量の300トンは試験焼却分として新潟市・三条市・柏崎市が受け入れた44トンを含むため、実質的に新たに受け入れるのは44トンを差し引いた256トン。この256トンを三条市で145トン、柏崎市で111トンを焼却。新潟市が試験焼却分として受け入れ、市民の反対によって浄水場に保管されていた瓦礫は一部が長岡市の試験焼却で運び出されましたが、残っていた19.5トンも長岡市が焼却をすることとなりました。

 

新潟市に住む私としては新潟市での焼却がなくなったという点については歓迎するし、亀田での試験焼却を阻止したことがそれに繋がったのは反対運動に参加していた者として行動の結果が実ったと思う面もあるし、受け入れ総量が減ったことも当初に比べればマシかなという印象はないわけではありませんが、だからと言ってこれで丸く収まったとは断じて思わないし、長岡でも三条でも柏崎でも瓦礫焼却はするべきではないという考えに変わりはありません。

26日夕方の5市長共同会見のUST中継を見ましたが、これがまぁヒドい内容。

中でも長岡市の森市長は
「新潟だけ広域処理の空白地域にならなくてよかった」
「新潟が受け入れる瓦礫が残っていてよかった」
とニヤけた顔でヘラヘラと喋ってましたが、森市長のこの言葉が、広域処理は5市長の対外的なメンツと焼却で受け取れる復興費用が目的、と物語っていると言えるでしょう。

現在、岩手県の瓦礫処理能力は1日あたり約1000トンになるそうです。新潟が受け入れる300トンなんて半日あれば処理できる量。高い輸送費をかけて安いところの10倍もの単価で処理する必要はまるでありません。なのに300トンでもいいから新潟でやりたい。それは広域処理に参加したという実績を作り、既に受け取った復興関連予算を返納したくないから。たかだか19.5トンでそれが実現する森市長は会見中とても嬉しそうな顔で話していて、見てるこっちは気持ち悪いくらいで、その眼はとても被災地を見ているとは思えませんでした。

更に新潟市の篠田市長は広域処理に反対する市民を「運動家あるいは活動家」と表現し、反対市民を悪者に仕立てて5市の正当性を示そうとする姑息さ。

私は市役所前での反対運動や説明会、亀田での阻止行動にも参加しましたが、そこに来ている皆さんは地元の農家の方だったり、子どもを守りたいと願うお母さんだったり、福島から避難されている方だったり、みんな普通の一般市民で活動家でも運動家でもありません。中には団体名を名乗りそこに所属されている方もいらっしゃるようですが、その方でさえもこの瓦礫問題が起きるまではデモにも集会にも参加したことないような普通の方です。共通していたのはただ1点、地域を子供を守りたい、それだけです。

それをさもテロリストやカルト集団のように切り捨てる篠田市長。

市民はこの数ヶ月の間に多くを学び、繋がり、協力して瓦礫焼却のリスクを訴えてきました。しかし篠田市長は市民と直接対面することもなく終始逃げ回り、泉田知事の真っ当な助言すら無視した上で、この問題と真摯に向き合ってきませんでした。

森市長は「国の8000ベクレルの1/80という全国で最も厳しい100ベクレルでやってるから安全」と会見でも強調していましたが、100ベクレルは原発施設内ならドラム缶に入れて厳重管理するレベルで、この点は泉田知事も再三指摘をしてきました。なのに5市長は知事の言葉も市民の願いも聞く耳持たず、自分たちのメンツとカネのためだけに瓦礫を受け入れるとしてきたこの姿勢はとても市政を預かる人とは思えません。

そんな5市長の醜さを強く感じた会見でした。

その他、言いたい事は書き尽くせないほどなんですが、あざらしサラダさんが問題点をいろいろまとめてくださってるのでそちらも参考にご覧ください。
環境省「エアガレキ」の広域処理推進中!
新潟県5市の不可解な瓦礫受入方針

 

中には6300トンが300トンに減ったんだから反対の人もこの辺で妥協したら?と思う方もいるかもしれません。しかし、これで終わりではありません。原発事故はまだ収束してないし、放射性物質は全国にバラまかれています。新潟市では水銀・鉛の問題もあります。市民や被災地に真に向き合わない首長らが次に何をしでかすか、我々市民は監視する必要があります。

ま、篠田市長からは活動家とのお墨付きを頂いたのですから、これからも遠慮なく訴えたいことは訴えていきたいと思います。

長岡・三条・柏崎での瓦礫焼却反対!!

 

人命よりも経済

ボーイングの最新旅客機787型機でトラブルが発生。

現在原因の調査中だがまだ特定できず、世界中のB787が飛べないでいる。

 

そりゃそうです。

同じトラブルが他で発生するかもしれない、最悪の場合は事故につながるんですから、原因もわからないうちに同型機を飛ばそうなんてことは普通はしません。

本当は航空会社もこの燃料代のバカ高いご時世ですから燃費のいいB787を飛ばしたい。せっかく高い金出して買ったんだし。

でも、万が一事故を起こせば会社の信頼にかかわるし、何よりも乗客・乗員の安全が第一。

だからB787は飛ばせない。

これで「他の機体はトラブル起きてないから問題ない!」なんて言ったら誰も乗らないでしょう。

 

しかし、B787と真逆の対応してるのが原子力発電所。

事故が起きました。
原因究明はまだできていません。
それどころか事故そのものがまだ収束してません。
追加の事故対策も津波対策もできていません。
バラまかれた放射性物質の回収もできてません。
ご迷惑をおかけした方々への補償も賠償もできてません。
原発施設の下には活断層があるかもしれません。

でも原発は再稼働します!!

 

おかしいでしょ。

墜落するかもしれない飛行機に国民を乗せようってんだから。

しかも事故起きた時の被害は飛行機の比じゃないのに。

人命よりも経済が大事!

 

人命あっての経済だと思いますけどねぇ。

 

原発県民投票条例案否決

今日の新潟県議会臨時本会議にて、「みんなで決める会」が直接請求した原発県民投票条例案が反対多数で否決されました。

県議会の過半数を占める自民党の石井修氏は「重要課題について多様な民意の集約を求める県民投票は(原発問題に)なじまない」、民主党の市川政広氏は「二者択一では県民の意思を反映できない」と反対理由を説明したそうですが、これまでの流れを見ていると議論以前に始めから「県民投票は×」という前提で話が進められていたように感じます。

私自身はこの前のブログでも書いたように県民投票にやや慎重な気持ちではあるんですが、泉田知事や今回賛成した社民・共産・無所属の議員、みんなで決める会の皆さん等が問題点を議論し、修正すべき点は修正し、県民投票実現に向けて熟慮したことを考えると、自民や民主の議員は非常に短絡的というか、せめてもーちょい勉強せいやぁ~と思わずにいられません。

否決を受け、泉田知事は「議会の半数を超える意見として『国策だからなじまない』という否決理由だった。県民の声を聞こうという条例案が否決され、大変残念だ」とのコメントを出してました。

議論に議論を重ねた結果の否決であればまだ納得できるでしょうに、県民の声をまるで聞かない議員の「数の力」でこの結果じゃ知事じゃなくても不満でしょう。

新潟市の瓦礫焼却にしても、市民があれだけ勉強して危険性を訴えているのに、その声をまるで聞かない不勉強な市長や市議によって物事が決まるのは、市民が選んだ市長と市議なんだからそれが民主主義だと言われりゃそれまでなんですけど、権力者による暴挙じゃないかなぁと思うわけです。

体罰問題で入試中止を決めた橋下市長もそうだし。

脱原発への道のりはまだまだ長そうですね・・・・・。

 

原発新潟県民投票

泉田知事が反対してると誤解させるような新聞記事が出たりして、どうにも私たちに見えないところで黒い力が及んでいるような印象の原発新潟県民投票。

脱原発を願う私としては県民投票の趣旨に賛同し昨年署名もさせていただきました。

できることなら県民投票を実現し、県民の総意として脱原発の意思表示をしたいと思っているのですが、一方で原発推進派だけでなく脱原発を支持しながらも県民投票には否定的(と言うか慎重?)な方もいらっしゃいます。

老若男女問わず全ての県民に原発にYesかNoかを聞けばNoが過半数じゃないかと思ってたし、そのための県民投票なのになぜ反対するのか不思議だったんですけど、慎重になる理由は昨年の衆議院選挙でなるほどとわかりました。

衆議院選挙でも脱原発は大きなテーマになるはずで、脱原発派は脱原発政党が相当数議席を伸ばすと期待していたのに、フタを開ければ原発推進の自民圧勝。

つまり、選挙で必ずしも民意が反映されるとは限らないってこと。

結果では圧勝した自民党も全体の支持率で見ればわずか16%に過ぎず小選挙区制の悪いところが出たとの分析もあり、また、3.11後の衆議院選挙であるにもかかわらず投票率が低かったことも大きな要因なんでしょう(不正選挙の疑念も未だに消えてませんけど)。

これと同じ事が原発新潟県民投票でも起こるんじゃないかというのが投票に否定的な方の懸念なんだと思います。

で、署名時には全面的に賛成していた私も最近はちょっと慎重になってきました。

昨年から瓦礫広域処理の反対運動に参加してますが、全体的な印象としては「絆」や「困った時はお互い様」という義理人情的な面しか見ず、瓦礫焼却に伴うリスクや広域処理にまつわる黒い事情も知らず、説明会に参加するとか自分で調べるとかもせず、テレビや新聞の報道を鵜呑みにしている無関心な方がほとんど。相変わらず食べ物に気をつけることもしないし、行く場所も気にしない。あれだけの事故を経験したのに楽観的な方が多いように思うんですよね。

故に原発新潟県民投票が実現したとしても、多くの県民は投票に行かず、投票する人も「電気がなくなると困る」「原発に携わる企業や自治体が困る」と賛成票を投じちゃうんじゃないかと。たぶん柏崎市なんかは賛成票が圧倒的多数になるんじゃないですか?だったら明確な意思表示をしないで、泉田知事が柏崎刈羽原発の再稼働に慎重姿勢をとったまま、国民の総意、あるいは国策として脱原発にシフトするまで中途半端な状態で待った方がいいのかな・・・・と。

今の新潟県民の原発への関心度ってどれくらいなんでしょ?

県民投票に関してもかなり関心低いように思いますが・・・・・ねぇ?

 

とりあえず新潟のメディアは情報正しく伝えてくださいませ。

 

瓦礫焼却はもう必要ない

北九州の震災がれき焼却3月まで 宮城県方針、1年前倒し(47NEWS 2013/01/10 11:23)

宮城県は10日、昨年9月から北九州市に委託している東日本大震災で発生したがれきの焼却処理を、今年3月末で打ち切る方針を固めた。同日中に若生正博副知事が北九州市を訪れ、これまでの謝意と打ち切り方針を伝える。当初は来年3月末までの委託を予定していた。
可燃がれきの量を精査した結果、想定より下回ることが分かり、北九州市の処理を前倒しでやめても、目標とする来年3月のがれき処理完了は可能と判断した。県外への広域処理は東北と関東に限定する。
現在西日本で処理を引き受けているのは北九州市のみで、今年2月からは大阪市が岩手県分を引き受ける。

 

とのことです。

北九州市民にしてみれば3月末と言わず今すぐ終わらせてくれでしょう。

元々膨大な輸送費かけて遠く九州まで運んでやる必要なんてなかったんです。

無計画な〆切だけ決めて、被災地の実情や瓦礫焼却の危険性を考えず、予算使徒の優先順位などまるでデタラメで、金の亡者のためだけに行われた瓦礫広域処理。

宮城だけでなく、岩手でも瓦礫の量は当初の見積もりより大幅に減っていると聞いています。

大阪は試験焼却で100トン燃やしましたが、これ以上関西を汚染させるのはやめるべき。

そんなムダな金使うより、もっと被災者に直接的な支援をすべきです。

新潟5市も同じ。

いつまでもメンツや知事との確執にこだわっていても復興は何も進みません。

瓦礫は被災地でも広域でも燃やしてはダメ。

広域処理の対象でない不燃瓦礫も含め、むしろ瓦礫が足りないくらいの鎮魂の森プロジェクトに人や技術で支援しましょうよ。

市民の税金から計上された試験焼却の予算がそっちに転用されても、それが正しく被災地のために使われるのであれば、瓦礫受入に反対してる市民も恐らく反対しないと思うし、瓦礫受入賛成の市民も被災地にとって何が一番有効かを説明すれば反対はしないと思いますよ?