新潟市は試験焼却を中止せよ

本日、新潟市の篠田市長が試験焼却の実施を発表した。

以下、新潟日報netparkより抜粋。

新潟市の試験焼却、27日から|新潟日報netpark

新潟市は12日、東日本大震災で発生した岩手県大槌町の震災がれき受け入れについて、試験焼却を27日から始めると発表した。焼却予定量は2施設で計21 トン。22日にJR東新潟駅に隣接する新潟貨物ターミナル(同市東区)にがれきを積んだコンテナが到着し、試験焼却まで仮置きされる予定。
亀田清掃センター(江南区)は27日の午前8時半から14トンを焼却。新田清掃センター(西区)では29日午前8時半から7トンを燃やす。両施設とも、がれきの17~30倍の量の一般ごみと混ぜて24時間焼却し、放射性物質や重金属の濃度などを測定する。

当然、私はこれに断固反対し、新潟市には試験焼却の実施を中止するよう求める。

新潟市に先だって三条市と柏崎市で既に試験焼却が行われ、灰に含まれる放射性セシウムの濃度が受入基準を下回ったことから焼却には問題ないというような判断がされているようだが、とんでもない。「未来の生活を考える会」が三条市での試験焼却前後に測定した結果では、ほぼ全ての測定地点で焼却後に線量が上昇している。薄めて燃やし、量も少ない試験焼却故に数値としては僅かかもしれないが、少なくとも環境中に放射性物質が漏れていることは確実で、バグフィルターで99%以上取り除けるというのは証明するに至らない。

そして、これは新潟市の新田清掃センター・亀田清掃センターでも同じことが起こることを充分予見させるものである。

試験焼却と聞くとさも安全に気を配って行われると思いがちだが、決してそうではない。どれだけ漏れたことを隠せるデータを出せるかという言わば周辺住民の安全を蔑ろにした人体実験である。

このブログでも何度も書いているが、放射性物質はその総量が一番の問題であり、濃度で安全は測れない。燃やすのは1キロ2キロの話ではなくトン単位の話。例え濃度が基準値を大きく下回ってもそれを大量に燃やせば放射性物質が含まれる灰もそれだけ大量になるのは小学生でもわかる計算。しかし市もメディアも濃度ばかり前面に出して「安全」とアピールするだけ。これは言葉のごまかしに過ぎず、真に市民の安全を考えてのことではない。

さらに新潟市はこれまでにも基準値超の鉛や水銀が含まれる灰を埋め立てたり、バグフィルターの破れを3ヶ月も放置するなど、瓦礫焼却ウンヌン以前に安全管理体制に疑問があり、こういうスタンスの市が放射性物質も安全に管理し、市民の健康や環境を守れるのか非常に疑わしい。

もっと言えば、三条市での飛灰測定値が焼却前23.5ベクレル/kg、焼却後24.4ベクレル/kgで焼却前後で大差ないと思われているが、もっと注目すべきポイントは震災瓦礫を含まない焼却前でも23.5ベクレル/kgあるということ。これは我々が日々出している一般ゴミもそれなりの汚染が既にあるということを証明しており、つまり瓦礫を受け入れるという以前に新潟県内から出る一般ゴミの焼却でも放射性物質拡散を防ぐ手立てを講じる必要があるということで、これについては私も新潟市の廃棄物施設課に電話して改善を要望したが未だ反映されておらず、電話した時点では排ガスの濃度測定すら行われていなかった。なぜしないのかと聞けば「測定項目にないから」との返答で、福島第一原発事故を経験してもなお新潟市は市民を守る視点には立っていないと痛感した。

こうした安全に配慮のない市が市民の意見を無視して試験焼却を行なえば、必ずや安全をアピールするためのデータを揃え、本焼却も強行するであろう。

亀田清掃センターの1日の処理量は最大390トン。23.5ベクレル/kg×390000で1日あたり916万5000ベクレル、1年フル稼働なら33億4522万5000ベクレルが焼却され、その一部は排気筒から環境に放出されるのです。

一度環境の放出された放射性物質を回収するのは事実上不可能。

そして、既に瓦礫焼却を行っている自治体で「安全に」焼却が行われているところは1ヵ所もない。

汚染されれば新潟市も長岡市も三条市も柏崎市も新発田市も全て終わる。誰も責任は取らない。泣くのは市民である。

瓦礫広域処理にあまり関心のない方も、それほど危険だと感じていない方も、自分や自分の家族の健康、突き詰めれば命に係わる問題だと認識してほしい。そして声を上げていただきたい。

新潟市役所廃棄物施設課 025-226-1420
新潟市役所秘書課 025-226-2044
瓦礫受け入れ撤回を求める署名活動
第4回市民主催説明会開催

 

新潟市での試験焼却に断固反対します!

中越地震から8年

今日で中越地震から8年だそうです。

はぁ、もうそんなに経ったんですね・・・・・。

でもあの時のコトはまだハッキリ憶えてますねー。あの時息子はまだ保育園、娘はまだ1歳。娘はもちろん何もわかってませんけど、息子は人生初の経験にかなり怯えて具合悪くなってたもんです。当時住んでた借家で玄関近くに使ってなかった部屋があって、その後も続く余震に備えていつもの寝室ではなくそこで寝てたんだよなぁ。ボロ家だったんで余震でもガシャガシャうるさかったですね。

で、その後には中越沖地震もあって、その時は柏崎刈羽原発がお漏らししちゃって、東日本大震災と福島第一原発事故を経験した今では、これらの地震で柏崎刈羽原発が福島第一原発レベルの事故を起こしていたら今ごろ私たちもこの新潟にはいられなかったと改めて怖いと思いますよ。

あの頃はTwitterもなかったし、何も知らされないまま「ただちに影響ありません」で今より深刻な被曝をさせられてたかもしれません。

相変わらず原発再稼働とか建設再開とかって話が出てますけど、いつ起こるかわからない巨大地震に備えて、万が一の時に人間がコントロールできない原発は早期に廃炉していただきたいと願います。

未来ある子供たちのためにも。

傍聴

今日の午後、新潟市西区役所で瓦礫問題の小委員会が開催されると聞きつけて傍聴に行ってきました。

・・・・・東区民ですが何か?

初めて訪れる西区役所(あんなトコにあったの知らんかった)の入口を抜け3階の会議室へ行くと、知った顔が何人も。瓦礫に関してはだんだんレギュラー化してるみたい(笑)。傍聴は全部で10名くらいだったでしょうか。もちろん傍聴なので発言はもちろん拍手もヤジもNG。ひたすら黙って会議を見守りました。

全体的な印象としては、概ね瓦礫受入に反対の意見が多数であったように思います。市側が用意した資料にこれまで開催した説明会で回収したアンケートの意見集約結果が載っていて、そこでは各地区を合わせた全体の集計で賛成が37.4%、反対が62.6%(コメント無記入・意思判別不可を除く)という結果がまとめられているにもかかわらず、篠田市長が「大方の賛成を得られた」と試験焼却の実施を発表したことについては参加者の多くから厳しい意見も出ていました。そりゃそうですわ、市の集計で反対が過半数なのに「賛成」と判断するって子供でも「おかしくね?」って思いますよ。廃棄物施設課のH課長はアンケート以外も含めて総合的に市長が判断したと弁明してましたけど、まるで正反対の判断に焼却場・処分場を抱える地元としては地元軽視と受け取られても仕方がないし、反発するのは当然だと思います。

が、一方で賛成を暗に示すような意見もチラホラ。でも、ハッキリと「賛成!」とは言わないんですよね。大槌町の瓦礫は汚染されていないとか、大槌町と新潟の直線距離を比べてウンヌンとか、なんだか市の説明会みたいな薄っぺらい話で間接的に燃やして埋めても問題ないと言いたげな、そんな意図を感じました。

どーやらここにも原子力ムラと同じ構図の黒い力が及んでいるようです。

ま、焼却場とか処分場とか、いわゆる迷惑施設ができるウラには必ずそれでオイシイ思いをする人がいるもんですからね。

で、結果的に意見はまとまらず、これは委員会での会議よりも水面下の根回しでまとめられちゃいそうな、そんな危険な印象を受けました。

 

あとは、全体的に知識が浅いという印象も。市民対象の説明会や市役所前行動でも大方の市民は関心薄いし知識も蓄えていないというのは感じてますが、焼却場・処分場を抱える地元の方々はもっと危機感持って勉強されているのかと思ってたら、実際はそうでもないみたい。多分、他県で既に健康被害が出てることも知らないだろうし、新潟が瓦礫を受け入れれば岩手の瓦礫がほとんどなくなると誤解してる方も多いんじゃないでしょうか。中にはかなり調べていらっしゃるんだろうなぁって方もいましたけど全然少数。賛成姿勢と思われる方が「現地に焼却施設作るより広域で運んだ方が安上がりで早い」みたいなこと言ってましたけど、浅い知識じゃうまいこと丸め込まれちゃうんじゃないかなーと見てるコッチがヒヤヒヤ。ちなみに私の考えは現地焼却も広域処理もしないで埋めて防潮堤を作る方が安全かつ安価で、現地雇用や中長期的な防災面でもベターだと思います。

 

何にしても、無責任な市が浅い知識で十分な説明もせずに利権優先でコトを進めようとしている姿勢は色んな意味で罪深いなぁと思います。

瓦礫受入の如何に関わらず、地元住民の間にしこりを残すことになるでしょうね。

新潟県知事選挙

明日は新潟県知事選挙の投票日。

現職含め3人が立候補する中、脱原発・瓦礫広域処理反対の私としては事実上一択状態で、情勢も早くから現職優勢と伝えられ、選挙結果もそうなるとは思っていますが、ここは県民一人一人が自分の判断でちゃんと一票投じて自分の意思を示してほしいと思います。

んーと、なんかね、いい年こいたおっさんの言うことじゃないんだけど、今さらながら選挙の重要さをひしひしと感じるようになりましたよ。

3年前の政権交代で民意が国を変えることができると実感したかと思えばその後はことごとく裏切られ続け、震災以降の対応に至ってはヒドいとしか思えない状態で、もしあの時政権交代してなかったらまだマシだったのかと言えばそうとも思えないんだけど、あの時世間の波に乗っかるだけではなく、立候補者個々の人柄とか政治感とかこれまでの活動とか、そういうのもちゃんと見極めた上で投票しないとこういうことになるんだなと恐ろしさを感じます。

県議会議員選挙・市議会議員選挙にもなれば一気に感心低くなるし、ぶっちゃけ今までやってた人が立候補して、大して変わり映えのないまま同じような顔が議員を続けて、流れ作業のような形式的な議会を運営していくよーな、言い方悪いかもしれないけど「何でもいいよ」的な感じではあったんだけど、新潟市が瓦礫広域処理を行う話が出てからは市議会議員のほとんどが瓦礫焼却に賛成で、あれよあれよと試験焼却の予算が可決されちゃった上に、議員の一人からは「新潟の子供がちょっとぐらい被曝してもいい」なんて言葉が出てくる始末。

ウチの近くにも長年続けてらっしゃる市議会議員さんがいまして、その方はこの地域の保育園・小学校・中学校での入学式・卒業式・運動会などなどイベント事には毎回足しげく顔を出して、まぁそれは選挙対策の一環だってのはわかってはいるけど、地域の子供の教育や子育て環境なんかにもそれなりに関心・配慮があるのかなと思ってたら瓦礫に関しては問答無用に賛成ですよ(しかも議会中寝てるし)。この辺は亀田清掃センターからそんなに離れてもいないし、瓦礫が燃やされたらこの地域の子供たちが内部被曝する可能性が否定できないにもかかわらず、これまで何百人・何千人もの子供たちの顔と成長を見続けてきた方なのに、そういう子供たちの将来の不安材料をまったく考慮しない姿勢に正直ガッカリしています(期待もしてなかったけどさ・・・・)。

結局、議員さん本人の問題もあるけど、それまで無関心だった自分たちの責任でもあるわけですよね。

選挙権を頂いてからこんなに時間が経ってから気付いた自分の愚かさを反省すると共に、今後はちゃんと人となりも見た上で一票投じようと思います。

そう遠くないうちに行われるであろう衆議院選挙でもそうですよね。まさか自民党返り咲きなんてことは論外としても、メディア戦略の上手い維新の会にはうまいこと乗せられちゃう人が多いかもしれません。

 この方、言うことは一丁前ですが放射性物質のことなんて何もわかっちゃいません。焼却で漏れようが大阪府民が病気になろうが知ったこっちゃない、府民・市民の安全・安心を何よりも大事にするという考え方は持っていないという方なんだと思います。波に乗ってこんなの当選させちゃった大阪はこの先どうなるのでしょう。

法務大臣はコロコロ変えられちゃうのに、国民が政治家を変えることは容易じゃない。リコールだって権利はあっても実効性のハードル高いし。

だからやっぱり選挙の一票って大事なんだなーと実感するわけですよ。

何はともあれ、明日の新潟県知事選挙はぜひ一票投じてあなたの意思を示しましょう。

 

 

・・・・・・コレは必要ないですかね(笑)

試験焼却に断固反対します

新潟市が震災瓦礫の試験焼却を早ければ11月中旬に行うと発表されました。

篠田市長は先行して行われた三条市・柏崎市の試験焼却で焼却灰セシウム濃度が受入基準の100ベクレル/kgを下回ったことを受け、
「全国で最も厳しく設定した受け入れ基準が十分に達成可能であることが確認できた」
「反対や慎重意見もあるが、総合的に判断した。測定データの提示により、市民の不安軽減につなげたい」
とコメントを出しました。

 

・・・・・・いずれこの発表があることは想定してはいましたが、正直怒りと失望でいっぱいです。

まず、「全国で最も厳しく設定した受け入れ基準が十分に達成可能であることが確認できた」と篠田市長は言いますが、現時点で公表されている試験焼却のデータは焼却灰のセシウム濃度と周辺の空間線量だけで、先日の記事でも書いたように濃度だけでは安全性を判断する根拠とはなりません。焼却灰の基準は混焼で薄めて燃やせば達成できることは試験せずともわかることで、排ガスやセシウム以外の核種や有害物質等のデータが出ていない段階(市が既に把握してるかは不明)で焼却灰の基準だけ見て安全だと判断するなら試験焼却そのものが意味を成しません。そしてそんな不十分なデータだけで「総合的に判断した」と言うなら新潟市で試験焼却しても同様に混焼で薄めた焼却灰のセシウム濃度だけで篠田市長は本焼却にGoサインを出すということで、これで市民の不安軽減なんてできるんでしょうか。むしろ不安は増すばかり。しかも本来であれば焼却灰以外のデータも出揃った段階で判断すべき試験焼却実施をこのタイミングで発表したのは、県知事選挙期間中で発言に制約のある泉田知事に横やりを入れられないうちにという姑息さも感じます。

また、篠田市長はこれまで70回以上開催された説明会に一度も顔を出しておらず、説明会で出た質問・要望でも市民から寄せられた公開質問状でも未回答のものが多く、試験焼却については環境部に丸投げと散々逃げ回った上で試験焼却実施だけは自ら判断という、まるで市民と向き合う気のない独裁状態。これだけ重要な判断を自ら下し、その上で市民の不安を軽減したいと言うのなら、篠田市長は市民と直接対話の機会を設け、市民の生の声を聞くべきで、それをせずに焼却場周辺地域と結んだ公害防止協定を無視してまで焼却を強行する権限が市長にあるのでしょうか。

焼却灰の処理も不安がいっぱいです。柏崎市では既に最終処分場に袋詰めにされた焼却灰が埋められましたが、本焼却からは袋に入れずそのまま埋め立てるのだそう。今後何十年・何百年も放射線を発し続ける総量で膨大な量になる放射性物質が袋詰めでも大丈夫なのか不安なのに、そのまま埋めるというのは危機管理意識があまりにも欠けていると思わざるを得ません。当然新潟市も同様のはずで、太夫浜・赤塚埋立処分場で環境汚染が起こるのは否定できず、赤塚での基準値超え鉛の件を考えても市に適切な管理ができるとも思えません。

震災直後に見積もられた量より瓦礫の実量は減っています。被災地では瓦礫を活用した防潮堤の計画も進められ、防潮堤に必要な瓦礫はむしろ不足しています。もう被災地ですら瓦礫を燃やす必要性はなくなっているんです。それを阪神淡路大震災の数倍の単価で燃やすために全国で瓦礫の奪い合い。山形でも関東でも静岡でも北九州でも健康被害の報告は跡を絶ちません。市民の声を無視してまで瓦礫を燃やすのはなんのためでしょう?

新潟には多くの被災者が避難もしています。放射能から逃れるために大変な思いをして新潟に来たのに、避難した先でまた放射能の恐怖にさらされる被災者に対して新潟5市は何も感じないのでしょうか?

新潟は瓦礫ではなく人を受け入れ、新潟の子供たち・農業・自然環境を守ってください。

そして、新潟にお住いの皆さん・避難者の皆さんは5市長の暴挙に対してNoの声を上げてください。