オール電化と原発

トラブル発生中のエコキュートはやめる方向で進めてます。

恐らくエコキュートの修理代と変わらないくらいでガス化できるだろうし、今回修理したとしてもやがて来るエコキュート本体の更新コストを考えれば全然お釣りが来るはず。あとは太陽光+ガス併用という3つ目の光熱費パターンがどうなるか、これはやってみないとわからないですね。

 

で、そもそもエコキュート、そしてオール電化というシステムがなぜ生まれたのかを考えた時、切っても切れないのが原子力発電です。

ご存じのように原発は昼間フルパワーで夜間はセーブ、といった出力調整をする発電方法ではなく、基本的に24時間フルパワーです。そうするとどうしても夜間の発電分が余剰になるのでその使い道を考えた結果、生まれたのが夜間電力でお湯を沸かすエコキュートで、オール電化にすればガスのコストが不要になってお得ですよとセットで売り込まれたわけです。また、揚水発電というものもあって、揚水発電は上下2つのダムで夜間は余剰の電力で上のダムに水を汲み上げ、昼間は通常の水力発電と同じように下のダムに放流して発電するというシステムなのですが、普通に考えてすぐわかるように、放流時の発電量より汲み上げ時の電力の方が大きいのでシステムとしてはまったくのムダで、原発の余剰電力を何とかして使えないかという前提に立った「原発ありき」の発電方法(太陽光で発電した電気で汲み上げしてればかなりエコなんでしょうけど)。結局のところ、原発がなければエコキュートも揚水発電も必要ないものなんですね。

しかし原発の方が儲かる電力会社も国策として原発を推進してきた国も脱原発という考えには至っていません。現状で多くの原発が停止している以上、夜間電力を安く抑える割引制度は電力会社にとって不都合。できるだけ早く原発を再稼働して、オール電化をもっと普及させて、やっぱり原発って必要でしょ?という状況を作りたいわけです。最近だと電気自動車(EV)の普及促進やリニアモーターカーの開発もウラ側では同じ思惑が働いてるような気がしてます。ほら、電気足りないじゃん、原発動かしてジャンジャン発電しようよ、原発動かさないとEVもリニアも止まるよ?って。

その一方で先日の九州電力での太陽光発電出力抑制なんかがあったりするわけです。電気余るくらいならエコで安全な方にシフトすればいいじゃん!って思うのですけど、原子力ムラの皆さんは一度吸った甘い汁はどうしても手放したくないようです。

となれば、ユーザー側から変えていくしかないのかもしれません。エコキュートが販売されるようになって20年弱くらいでしょうか。もう修理や更新を経験されているご家庭も多いことでしょう。10年使ってみてどうだったか。メリット・デメリット両方を考えて、住設屋さんやハウスメーカーに言われるがままではなく、背景に原発があることも考慮した上で、選択していけば今後の展開も変わってくるかもしれません。

そもそも、原発+オール電化で光熱費が節約できたところで、次にまたどこかの原発で事故が起こればその節約分なんてあっという間にパーですからね。