柏崎刈羽原発の安全審査申請を条件付で容認

昨日の廣瀬社長との面談から一夜、まさかたった1日でこんな急展開になるとは思いもしませんでした。

 

そのスピードで汚染水もなんとかしてくれ!(笑)

 

で、新潟県は今日の夕方に原子力規制委員会への安全審査申請を条件付きで容認するとし、東電は明日にも申請を行う見通しとなったわけですが、報道を見てると一部で「安全審査申請を容認=再稼働を容認」みたいに誤解させるような書き方をしてるフシがあって、このブログを読んでる方は間違えたりはしないと思いますが、今回の件はあくまでも審査申請を認めるというだけで、それが必ずしも再稼働に繋がるということではありませんので念のため。

泉田知事は以前から「福島第一原発事故の総括なくして再稼働の議論はしない」と繰り返し述べてるし、これで原子力規制委員会がOKと判断しても地元の了解ナシに勝手に再稼働はできません(たぶん柏崎市と刈羽村は死ぬほど再稼働させたいと思ってるでしょうが)。

ただ、今回の申請容認は泉田知事を支持してる方にとってもかなり意外だったようで(私もその一人)、泉田知事になにか圧力がかかったのではないかとか、泉田知事も結局はそうなのかとか、まぁいろいろ憶測を呼んでるようです。

 

で、当の泉田知事は

昨日の東京電力廣瀬社長との会談において、フィルタベントが稼働する状況下では、避難中の住民が健康に影響のある被ばくをする危険があることが確認されました。
また、「新規制基準をクリアしただけでは住民の安全を確保できず、自治体との協議が必要」という点も共通の認識となりました。
加えて、残念なことですが、東京電力は、フィルタベント以外の設備についても、田中原子力規制委員会委員長が「最低限の基準」と指摘する新規制基準をクリアできるか自信が持てていない状況にあります。
柏崎刈羽原子力発電所は、停止していても生きている施設であり、安全確保が必要です。事業者が現状に対しても安全確保に自信を持てず第三者の目を入れたいという状況を放置することは、地元にとっても望ましくありません。
フィルタベントの性能が十分なのか、避難計画と整合性が取れるのか等については、県技術委員会の場でも検討する必要があると考えていますが、それ以外の設備等については、規制基準適合審査によって、第三者(原子力規制委員会)の確認を求めることは容認したいと思います。
以上により、条件付きの承認を行うこととしました。

と、コメントを発表。

合わせて東電に対しては

柏崎刈羽原子力発電所の規制基準適合審査申請に係る条件付き承認について

柏崎刈羽原子力発電所の規制基準適合審査申請について、下記のとおり条件を付して、承認します。
ただし、ベント操作による住民の被ばくが許容できないと明らかになった場合又はフィルタベント設備の設置に関して東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所周辺地域の安全確保に関する協定書(以下「安全協定」という。)第3条に基づく協議が整わないと明らかになった場合は、この承認は無効とします。

        記

原子力規制委員会への規制基準適合申請にあたっては、以下の事項を申請書に明記すること

1 新潟県との安全協定に基づく協議後に修正申請を行うこと
2 今回申請のフィルタベント設備は地元避難計画との整合性を持たせ安全協定に基づく了解が得られない限り使用できない設備であること

 

イマイチ要点がつかみにくくてよくわからない感じですが、

安全審査を申請するのはいいけれど、安全協定無視したり勝手なことはしないでね

ってことなんでしょうか。

東電が泉田対策として盛り込んできた2つのフィルターベントについても、その堅牢性や信頼性の以前に住民に健康被害を与える恐れがある場合は使用禁止ということらしく、今回の申請容認で「再稼働へ一歩前進」と歓迎してる再稼働賛成の人もいるようですが、私から見るとむしろ再稼働へは更にハードルが上がったように思います。

だって、災害等で全電源喪失したら2時間でメルトダウンに至るわけで、圧力が上がって注水できずメルトダウンするのを防ぐために圧力を抜くのがベントであって、泉田知事は昨日の面会でも2時間で住民避難はムリと廣瀬社長に言ってたし、2時間でムリなものをそれより前に行われるベントの前に避難させるなんてもっとムリな話で、結局フィルターベント設備があってもそれは事実上使えないということで、つまり柏崎刈羽原発ではメルトダウンを防ぐ手段を設けることができず、再稼働なんてできっこないってことじゃないですか?

かなーり無理難題だと思うんですけど。

それとも無理難題をぶつけて再稼働を断念させるのが泉田知事の狙い?

 

そんな話の一方で今日は福島第一原発の港内に設置してるシルトフェンスが破れたなんてニュースもあったりして、これでまた安倍総理は「ブロックできてないじゃないか」って叩かれるのでしょうが、東電もいつまでも柏崎刈羽の再稼働に固執してないで、まずは自分たちの一番やらなきゃいけない問題に最優先で取り組んだらどうかなーと思うんですけどねぇ。

 

さて、原子力規制委員会はどう出てくるのでしょうかね・・・・・。