核兵器禁止条約に賛成できる国に

今年のノーベル平和賞をICAN(International Campaign to Abolish Nuclear Weapons:核兵器廃絶国際キャンペーン)が受賞しました。

ノーベル賞委員会からの選定理由コメントは「核兵器廃絶国際キャンペーンは人類の惨禍を招きかねない核兵器の危険性を国際社会に知らせ、核兵器禁止条約の採択に寄与した」というもの。今年7月に国連で核兵器禁止条約が採択されたのは記憶に新しいですね。それだけ世界平和にとって核兵器禁止条約がとても意味のあるものであることの表れで、また、その採択に至るまでの道のりの険しさも称えられる理由の一つだったのではないかと思います。

日本の被爆者団体や平和団体もこの受賞を喜んでいて、私もとってもうれしく思いますねー。ノーベル賞が欧米の核保有国の顔色を伺うことなく、「良いものは良い」という当り前の信念を貫いたことも評価します。

しかし、残念ながら肝心の核保有国やその同盟国、そこには日本も含まれますが、核兵器禁止条約に賛成していないのはご存じの通り。保有国が参加しない条約では効力は限定的ではあるのですが、今回のノーベル平和賞受賞によってその意味合いが増したのは確実。きっと条約非参加国はバツが悪いでしょう。事実、日本はこの受賞に対しては完全ノーコメント。世界で唯一の戦争被爆国がこの受賞に何も言えないってのはなんとも情けない話です。

これはまずありえない話ですけど、もし安部総理が就任からの約5年の間に核兵器廃絶に向けて関係各国に働きかけ、核兵器禁止条約採択に主導的な役割を果たしていれば、安部総理がノーベル平和賞候補になっていた可能性もあるわけです。稀代の悪代官として名を残すより、世界平和に尽力した人物として名を残す方がはるかに誇らしいことなんですけどね。

アメリカの核の傘に守られながら核兵器廃絶を訴えるのは矛盾があるとは思います。しかし、唯一の被爆国として核兵器の非人道性をリアリティを持って訴えられるのは日本しかないわけです。原爆を落としたアメリカの顔色を伺うのではなく、同盟国であっても「ダメなものはダメ」と言うべきことは言わなくては。仮に日本が他国から攻撃されても核兵器だけは使うな、くらい言ってもいいんじゃないでしょうか。

政局は先の見えない状況ではありますが、ぜひ日本には胸を張って核兵器禁止条約に賛成できる国になってほしいと願います。

 

立憲民主党フォロワー爆増

10月2日にできたばかりの立憲民主党Twitterアカウントがものすごい勢いでフォロワーが増えておりまして、たった4日なのにこの記事を書いてる時点でもう14万人を超えてもうすぐ15万に迫ろうというハイペース。

自民党のTwitterアカウントがフォロワー11万人台ですから、立憲民主党は政党アカウントとして最大のフォロワー数となり、自民党がアカ開設8年ちょっとということを考えるとこのフォロワー数の爆増は尋常ではありません。

ツイートゼロでフォロワー17万超の佐々木希くらいすごい(笑)

ちなみに民進党は2万4000ほど、希望の党は1万にも届かず5800足らず。

安保反対や脱原発などのリベラル寄りの方はTwitter利用者比率が高いと思われるので、この結果はそれほど不自然ではないでしょうが、できたてホヤホヤのアカウントがこれだけフォローされるのは、安部もダメ、小池もダメで行き場を失ったリベラル派の立憲民主党への期待の表れであると言っていいでしょう。

ただ、フォロワー数と実際の選挙での票は必ずしも直結しないのは安部政権誕生後の数々の選挙を見てきた方ならよくわかってるはず。有権者全体で見ればTwitter利用者なんてたいした数じゃありません。

むしろネットを利用しない層にいかに伝えていくかが課題。マスコミは安部・小池で盛り上がってるので、テレビや新聞しか見ない人には立憲民主党って何?です。

でもさすがに今回はこのメディアによる印象操作に違和感を感じる人も多いでしょうかね。小池さんは何か言う度に評判落としてるし。

いやー、今回の選挙はおもしろいわ。

 

希望の党ってエグいな

こちらは民進党からの合流議員に希望の党が要求した政策協定書。希望の党から公認もらうにはこの政策協定書の内容を受諾し、署名・捺印しなければなりません。

当然、政党としての政策に共通の価値観を持つ方々が集まるのが普通のことですから、言われるまでもなく民進党から合流する議員も政策に賛成する方が来るわけで、この事自体は何らおかしいことではありません。

が、内容がなかなかエグいな、と。

「3.憲法改正を支持すること」なんてのは具体的にどの部分の改正についてなのかまったく記載がなく、希望の党の公約案には「9条については議論する」としかありませんので、いくら改憲支持でもこんなアバウトな表現で党に白紙委任のようなマネができるものなのでしょうか。

「7.本選挙に当たり、党の指示する金額を党に提供すること」というのも、私の聞いた話では400万とも500万とも言われてて、これってヤ○ザの上納金と変わらないよなぁって感じてしまいます。更に選挙ポスター用に小池さんとの2ショット写真を撮るのに3万円要求されるとか、党が候補者にここまで金銭を求めるもんなんでしょうかねぇ。

最後の「8.希望の党の公約を遵守すること」も、文字だけ見れば公認もらうなら当たり前の事なんですけど、これを求められた段階では具体的な公約はさっぱり明らかになってませんでしたから、結局「公認欲しけりゃ黙っていうことききな」ってな感じで、やっぱりヤ○ザと変わらないじゃんって気がします。

実際、公認を求めた人や党外からも疑問の声が噴出。例の「排除する」発言とも相まって、小池さんと希望の党のイメージはここ数日で相当悪くなってるように思います。

政策協定書以外でも、民進党からの分裂議員で無所属で立つならいいが立憲民主党から出馬するなら刺客を送るとか、党の了承なしにマスコミ等に勝手に話をしたらダメとか、何かと上からと言いますか、横暴さが目立ちます。

さらに都議会で圧勝した都民ファーストの会所属の都議からも小池さん・希望の党のこうした姿勢に反発して離党者まで出る始末。離党する都議の一人、音喜多さんは都民ファーストで中心的なポジションにいたと思うのですが、外部はもちろん、内部の人間との会食まで制限されていたとか、政務活動費として毎月15万円の上納金を強要されていたとか、そりゃ離党するよなぁと少し同情しちゃいます。

言論統制とか抑圧的な党運営とか、ここまでくるとヤ○ザというよりファシズム的な怖さすら感じてしまいます。

 

で、こんな状況でも希望の党には期待する人も恐らく一定数いて、選挙でもそれなりの議席を確保するんじゃないかとは思いますが、有権者の皆さんはよく考えてください。希望の党に票を入れるということは、上の政策協定書にサインした人に票を入れるということ、つまり入れた有権者もあの政策協定書にサインし、内容を丸飲みしたことになるのです。

仮に希望の党が政権を取ったら、国民に対してもあの政策協定書と同じことを求められる。

怖くないですか?

 

さらに、マスコミでは自民党vs希望の党vs立憲民主党・社民・共産の3極構図なんて報じてるところもありますが、実際には自民・希望の右vsリベラルの2極構図です。自民と希望の考えにほぼ差はありません。希望は維新とも選挙協力を結んでおり、維新は自公の補完勢力ですから、これで選挙の結果がどうであれ、終わってしまえば自民・公明・維新・希望の改憲勢力ができあがる仕組み。希望の安部自民党との対決姿勢は選挙向けのポーズでしかないのです。

誰がどこを支持しようがそれは有権者の自由ですが、なんとなくの雰囲気でよく考えずに投票する、あるいは投票に行かないなんてことは、あとで自分たちにツケが回ってくることになりますから、よーく考えて投票先を決めてくださいませ。

 

リベラルの力を結集せよ

小池百合子率いる希望の党が合流予定だった民進党議員を後出しジャンケンでリベラル派を「選別する」として全員合流だと思い込んでた民進党議員は右往左往。維新との選挙協力で大阪には候補者を立てないとして、大阪の民進党議員は自動的に希望から公認がもらえず、三権経験者は受け入れられないと管・野田両氏もお断りされ、多くの民進党議員が排除されることになりました。

希望への合流を希望する民進党議員の中にはこれまで安保反対や9条保持を訴えてきたのに合流となったら急にその声を押し殺したノンポリ野郎もいるみたいですが、そういう自己保身しか考えてない信念のない腐れ議員はみんな希望に行ってもらって、希望の理念とは相いれないと早々に無所属での立候補を決めた骨のある議員には信念を貫き通していただいて、我々が選ぶべき政治家が誰なのか今回の騒動でフィルタリングされることになったのは結果的に良かったんじゃないかと思います。

そしてこの動きで枝野氏がリベラル派の新党を立ち上げるという流れもできつつある。

枝野氏は新党を「受け皿」と表現してたようですが、希望の党に入れてもらえなかった負け組の集まりみたいなこと言わずに、安部・小池の極右に対抗するリベラル勢力を築き上げる!くらいのことは言ってほしいですね。そうしないと争点や違いが曖昧で、有権者も選びにくい。新党名に「立憲民主党」など「民主党」と入れる案もあるそうで、これは投票時に有権者が「民主党」と書く可能性を考慮してるらしいのですが、これも旧民進党の残党グループと思われそうで、もっと明確に政治理念がわかるような党名にしてほしいかなと個人的には思います。

それでもこれまで右か左かよくわからず、まとまりも勢いも失っていた旧民進党がスタンスを明確に安部・小池との対抗勢力グループとなれば、参議院の民進党議員もフォルタリングして合流、あとはここに社民・共産・自由も加わり、市民グループも後押しして野党共闘できれば一定の成果を上げられる可能性は十分ある。あとはどこまでホンキを出せるか。民進党で足かせになってた連合なんかとはスッパリ縁を切って、本当の意味でしがらみのないリベラル勢力を作り上げてほしい。国民の多くは9条改憲に反対・慎重だし、原発にも反対だし、特定秘密や安保などにも反対だし、いずれは政権交代も目指せる勢力になれるんじゃないでしょうか。

個人的には枝野氏が震災直後に言ってた「ただちに影響はない」というあの言葉が後の被曝軽視マインドを作り上げる一因になってたのが許せてはいないので、新しいリベラル勢力のリーダーに枝野氏が立つのは正直イマイチだったりするんですけどね・・・・。

あとは小沢一郎・森ゆうこ氏ら自由党がどうするか。山本太郎氏は有権者への裏切りになると希望には行かないとしてますが、小沢・森は合流を示唆してるようで小池批判もしてたりでよくわからない。希望入りする民進党議員のようにここで変節すれば有権者に見限られるのは必至です。

自民党からの出馬を正式表明した泉田氏の動きも気になります。与党内でなければ変えられないとしての自民からの出馬も、自民の負けが濃厚になってきたこの流れの中で当選したところで何ができるのか。また、新潟県民にとっては外せない原発再稼働についても「(原発は停止中も)存在する以上はリスクがある。再稼働するか否かは本質的な問題ではない」と中途半端な姿勢。いやいや、そこはハッキリしてもらわないと争点濁しと受け取られかねないですよ。

投開票までまだ何が起こるかわからない情勢ではありますが、失望の右vs右構図からなかなか面白い展開になってきました。

リベラル派はスピード感を持って支持拡大に邁進していただきたいですね。

有権者は安部・小池に騙されないように~。