瓦礫処理

昨日、国定三条市長が震災瓦礫の受け入れを表明しました。

震災瓦れき受入れについて|三条市長日記
http://kunisada.seesaa.net/article/256214586.html

今日、明日と、テレビ・新聞を通じて“三条市・震災瓦礫受入れを事実上表明”といった記事が駆けめぐると思いますが、一応、正確性を期すため、私の答弁要旨を紹介したいと思います。

○(宮城県、岩手県からの)災害廃棄物の受入れについては、新潟市、長岡市、柏崎市、三条市の4市において、概ねの合意形成ができる段階まで近づいているものと認識。
○受入れに際しての自主基準については、市民の皆さまのご理解を得られる範囲として検討を進めた中で、先般、新潟市長さんが議会答弁された、放射性セシウム濃度“100ベクレル/kg以下”ということが1つの判断基準として検討しているのは事実。
○ この数値については、①IAEA(国際原子力機関)のクリアランスレベル、つまり、そのまま再利用(処分)しても“放射性物質として扱う必要がないもの” として定められている数値であること、②我が国の法制度においても、放射性廃棄物に該当するかどうかの線引きとして採用されている数値であること、③今般の東日本大震災に際し、環境省が安全としている焼却灰の放射性濃度8,000ベクレルを大幅に下回っている値であること、④泉田県知事が指摘している“ダブルスタンダード(通常法制の100ベクレルと今次震災での適用基準8,000ベクレルとの乖離)”もクリアできる数値であること、から、市民の皆さま方からも十分ご理解いただける水準と思料。
○この“100ベクレル/kg以下”の災害廃棄物であれば、我々としては、通常の一般廃棄物として取り扱えるものと思料(現実に、現在の三条市の清掃センターにおいても、80ベクレル/kgが出ている状況)。
○なお、最終処分場設置の際、地元と取り交わした使用承諾書には、①県外受入れに関する条項は定められていないこと、②先に触れた理由により通常の一般廃棄物として取り扱うこと、から、現行の承諾書の範疇として捉えることができるものと思料。

なお、未だ最終結論に至っていないのもまた事実でありますので、最終的に表明できる段階になれば、改めて、拙ブログでも触れていきたいと思います。

また、私は見てませんがテレビのインタビューで国定市長はこのようにも発言していたそうです。

「セシウムが100ベクレル以下なら法律上その廃棄物は一般廃棄物に分類される。したがって、泉田知事が受け入れに難色を示している放射性廃棄物ではない。だから、今後知事が何を言ってこようと、三条市は断固として受け入れる。」

 

以前から受け入れの方向で検討されていることは知っていました。
それがいよいよ現実になろうとしています。

 

一方で札幌市の上田市長は瓦礫受け入れについてこのように述べています。

「(放射性物質が)国の基準を下回っていても受け入れるつもりはない。放射性物質は微量でも有害で極めて長寿命。十分な知識を持ち、風評被害のことも考えた上で判断してほしい」

この言葉は自治体の長として極めて妥当な判断だと私は思います。

 

焼却場のバグフィルターは放射性物質を除去できません。
セシウムの沸点よりも高い温度で焼却され、気化したセシウムはフィルターをすり抜けて煙突から大気にそのまま放出され、放出された放射性物質は自治体の境界内にとどまることはなく県境も越えて拡散されます。
セシウムが残った焼却灰の処分方法や環境への影響も定かではありません。
しかも放射性物質はセシウムだけではなく、プルトニウム等のアルファ線系核種は線量測定すらされていません(測定できない)。
国定市長は「100ベクレル/kg以下」と言ってますが、100ベクレルを1トン燃やせばそれだけで10万ベクレル、1万トンで10億ベクレルです。
100ベクレル/kgという基準も現実的に全ての瓦礫をくまなく測定はできませんから、ほとんど汚染されていない瓦礫もあると思いますが、同時に基準を超える高汚染の瓦礫が混ざる可能性もあります。

仮に放射性物質を100%回収できる焼却場があり、焼却灰も長期(100年単位で)において厳重に管理される最終処分場があるならば、燃やすことで除染できるのですからそれはどんどん燃やしていいと思います。高圧洗浄機で洗い流して土壌や河川・海に拡散させる除染よりよっぽど効果的。

でもそんなこと現段階ではできない・・・・。
こんな状態で瓦礫を燃やして問題ないなんてどうして判断できます?

福島をはじめとして東北や関東から多くの方々が避難されている新潟。
東日本であるにもかかわらず奇跡的に汚染が低く済んでいる新潟や山形・秋田などの日本海側は福島から距離的に近いこともあって、事情によりお父さんを残して母子避難されている方々にとっては重要な地域になります。
もちろん西日本の汚染の低い地域も避難者の生活や食料の供給を守るため、汚すべきではないと思います。

しかも悪いことにこの瓦礫処理事業には利権が絡んでるっぽい。

瓦礫の受け入れを表明している静岡県島田市の桜井市長は現在親族が経営する産業廃棄物処理業者「桜井資源株式会社」の元社長で、市民の反対の声に耳を傾けずに強行に瓦礫を受け入れようとしています。もし純粋に支援として瓦礫処理をするなら親族会社は入札から除外し、割増された処理費用も適正価格でやるべきだと思いますが、そんなことはないところを見ればこれが私利私欲のためと思われても仕方がないでしょう。
その他にも東北から遠く離れた西日本でも瓦礫受け入れを表明する自治体は数知れず、日本で一番福島第一原発から離れているであろう沖縄までが受け入れを表明するなんて、野田首相が「処理に関わる費用は全額国で補助」なんて後押しもあるもんだから、これはもうほとんどが「善意の名を借りた金儲け」に走ってるとしか思えません。
わざわざ高い輸送費を払ってまで沖縄で処理するくらいならすぐ近くの新潟で処理した方がはるかに効率的で安上がりですよね?(住んでる人はイヤだけど)
使われるのは全部私たちが納めてる税金ですよ?
しかもテレビや新聞で大々的に繰り広げられている広域処理のPRにも9億円もの税金が投入されているそうですよ?
9億も使える金があったら被災地でもっと別な使い方もできるはず。
まだ充分な補償を受けられていない被災者も多いってのに・・・・・。

一度放出された放射性物質は回収が非常に困難。
原子力災害の時は拡散させずにできるだけ閉じ込めるのが基本。
自治体の長はまず住民や避難者が安心して暮らせる環境を守ることを優先させた上で、住民を危険にさらさない方法で被災地支援を行うべき。
もちろんそれで利益を得るなどもってのほか。

現状では場所を選定してそこに集める以外にないと思います。
それをどこにするかは恨まれるのを覚悟で国の長である総理大臣が政治判断しなければならないでしょう。
原発再稼働なんて政治判断はいらないです。

 

瓦礫処理については武田さんの解説もあるのでこちらも参考にしてください。

武田邦彦(中部大学): 「瓦礫」のトリック・・・その危険性とトリックを正しく知ろう
http://takedanet.com/2012/02/post_740a.html