太陽光発電の課題

ここ数日の新潟市はとてもいい天気が続いていて、屋根の上のソーラーパネルはいい時には自給率60%以上をマークするくらいにいい具合に発電してくれています。

で、地震が起きて計画停電の話が出てから会う人に
「D-Styleさんトコは停電になっても太陽光発電あるからいいよねー」
とよく言われます。

これ、あながちハズレてもいないんですが正解ではありません。

太陽光発電システムはソーラーパネルとセットでパワーコンディショナー(パワコン)というものが必要で、これは太陽光で発電された直流の電気を交流に変換して家庭で使えるようにする装置なのですが、パワコン自体は普通に外からの電気で動いているので、つまり停電になるとパワコンが動かず発電した電気を変換することができないんですね。
一応、停電時に備えてパワコン側面にはコンセントが付いていて自立運転することで太陽光を非常用電源として使える機能もあるにはありますが、この場合は当然日射量に応じた量しか電気が使えませんので夜間はもちろん日中でも太陽が雲で遮られればアウト。しかも発電している時でも発電量は刻々と変化しますから例えば扇風機とかラジオとか単純にON-OFFで動くようなものはOKでもパソコンみたいに常に一定以上の電気が必要なものは使えません。
つまり、それほど万能ではないってことですな。

これの一番の問題は蓄電できないこと。
蓄電池を組み合わせたシステムもないことはないけれどコスト面でまだまだ一般的ではないし、オバマ大統領のグリーン・ニューディール政策で話題になったスマートグリッド(次世代送電網)では電気自動車を蓄電池の代わりに使うという方法も考えられているけど実現にはまだハードルが高い。

しかし安くて高効率の家庭用蓄電器の開発や代替エネルギーの普及などが進めば太陽光や風力、地熱などの自然エネルギーをうまく組み合わせて原子力や火力による発電の比率を下げていくこと(希望としては全廃)は不可能じゃないですよね?

また、今回の福島第一原発の事故でもわかるように大規模発電システムの一極集中はそこがダメージを受けると途端に電力不足に陥るリスクを抱えてますが、小規模な発電・蓄電を分散させることでトラブルによるリスク回避もできるし電力の地産地消も可能。福島から関東への送電で膨大なロスを生むより遥かに効率的です。

技術やコストなど越えなければならないハードルは多いけど、原子力発電なんてとんでもないバケモノを作り出すことができたんですからできないことはないと信じたいものです。

2件のコメント

  1. はじめまして。太陽光発電って、天気によるよね?蓄電出来ないよね?コストが高いんだよね?じゃあ原発の代替としてはどうなの?という疑問を持っていたので調べていたらこちらのblogに辿り着きました。
    大変参考になりました。
    他にも気になっていたことについて書かれていたので嬉しくなってコメントさせて頂きました。
    突然失礼致しました。

  2. うたえさん、はじめまして。
    コメントありがとうございます。

    昨日は孫さんが東日本ソーラーベルト構想を提案されましたし、今後は自然エネルギーを軸とした脱原発路線に動いていくことに期待したいですね。

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