何を信じれば

ネット上で実際に原発の現場で働いていたという方(故人)の「原発がどんなものか知ってほしい」という文書がありまして、恐らく15年くらいのものなのですがまるで今回の福島第一原発事故を予言していたかのような恐ろしい内容なんですね。私はたまたまmixiの某コミュで知ったのですが、福島第一原発事故以降、ブログやtwitterで拡散されまくっているようです。

で、この「原発がどんなものか知ってほしい」を読んだ時は素直に受け取って改めて脱原発への思いを強くしたんですが、よくよく調べてみるとこの文書の整合性を指摘して批判する人がいたり、その批判に対して検証・批判してる人がいたりして、原発の知識に乏しい者にとっては果たしてどれがどこまで正しいのかわけがわからなくなってしまいます。ネットに限らずこれだけ情報が氾濫している中では最終的な判断は受け取る側に委ねられるわけではあるんですけどね。

そして、震災以降の(いや、それ以前からだけど)政府や東電、保安院、テレビ、新聞などから発せられる情報はどこかオブラートで包んだように曖昧でハッキリしない。以前は好きでよく見ていた池上彰氏も誰に言わされてるのかとにかく「安全です」ばかりで私の中ではすっかり信用失墜。先日の孫正義氏の東日本ソーラーベルト構想も100億寄付した時は大きく扱われたのに脱原発のネタはあまり報じられない。都合の悪い情報を出すジャーナリストは締め出され、メディアは切り込むのではなく発表されたそのままを伝える。例を挙げればキリがありませんけど、そんなのばかりだから必要な情報は隠し、事実は歪曲され、発表される情報は関係者の保身のために発せられているんじゃないかという疑心暗鬼に陥ってしまいますよ。

「不安を煽るな」という声をよく聞きます。
しかし、わからないものに脅えるよりは聞きたくない情報でも知った上で対処したい。
何を信じていいのかわからない方がよっぽど不安だと思うのですが。

R水素

脱原発・再生可能エネルギーへ転換の機運が高まっている(よね?)中、まだ「原発は必要だ」という人が後を絶たず、そういう原発推進派(と言うより再生可能エネルギー否定派)がよく指摘するのに「自然エネルギーは不安定」という点があります。

みなさんご存じの通り、太陽光発電はお日様が出てる時しか発電できませんし、風力発電も風が吹いている時しか発電できません。だから、いい時はいいけどダメな時はまるでダメなソーラーパネルや風車をたくさん設置したところで原発の代わりにはならないというのは確かにその通りで、これには「電気は貯めておけない」という根本的な問題が起因しています。

震災によって福島第一原発事故が起き、計画停電が行われるようになった頃から節電への意識が高まって夜間の照明等も控えられるようになりましたが、ここで誤解しちゃいけないのはいくら夜間の電力を節電しても日中使う分に回すことはできないということ。もちろん総使用量を抑える意味で夜間の節電も大事ですが、ピーク時間帯での停電を避けるには不足分を補うだけ発電量を増やすか使用量を減らすしか方法はないんですね。じゃあ蓄電できる設備を作ればいいじゃないかという話になりますが、クルマや一般家庭用の小規模なものはともかく、何万キロワットもの電力を蓄える設備というのは現状では現実的ではない。車体いっぱいにバッテリーを積んだEVでも200km程度しか走れないことを考えればよくわかると思います。

そこで登場するのが今回取り上げる「R水素」です。

このR水素、昨日書いたいしだ壱成さんの記事でも取り上げられていて、私はそこで初めてR水素という言葉を知りました。

さてここでちょっと理科の授業です。
水素の元素記号はHですね。酸素の元素記号はOです。水素と酸素がくっついたものが水で水素2個と酸素1個でH2Oになります。つまり水素は酸素とくっついて燃えることで水になり、その際の化学反応で電気と熱を発生させます。酸素は大気中にたくさんありますから、あとは水素があればエネルギーを生みだすことができるわけで、これを応用したのが燃料電池や水素エンジンです。水素を作るにはこの逆で水を電気分解で水素と酸素に分けるだけで、元となる水は島国日本にはまわりにたくさんありますからそれこそ資源は無尽蔵です。

ここで勘のいい方はお気づきかもしれません。そう、水素を作るにも結局は電気が必要なんですね。それなら水素を作る電気をそのまま電力に回した方が効率的じゃんと思われるでしょう。確かにその通り。ただ、ここでのポイントは「水素は貯蔵できる」ということなんです。つまり、貯めておけない電気を一旦水素に変換することで結果的に電気を貯めておけるということになるわけで、貯蔵できる水素なら作る電力は不安定な自然エネルギーでもできる。日中は太陽光で発電し、その余剰分で水素を作り、夜間は水素で発電する、そんな暮らしも不可能じゃないんですね。

理屈的にはシステムさえ構築してしまえば無尽蔵にある天然資源の水・大気・太陽光・風で無限にエネルギーを生みだすことができるということになり、正にこれがR(Renewable)水素なんです。

これってすごくないですか?

一長一短ある自然エネルギーもいいところをうまく活かしてベストミックスすることで原子力や火力に頼らないエネルギー社会が実現できるかもしれない。R水素は大きくその可能性を持っているんじゃないでしょうか。

R水素については下記サイトで詳しく解説していますので、もっと知りたい!という方はぜひ見てください。

(NPO)R水素ネットワーク

原発のもう一つの側面

なんだか反原発ブログになりつつある今日この頃ですが、今回は原発が抱える他の側面を取り上げたいと思います。

震災直後に話題になったのでご覧になった方も多いかもしれません。
俳優のいしだ壱成さんのブログ。
ちょっと長いですがまだ読んだことない方はぜひ最後まで読んでいただきたい。

今だからみんなで考えたいこと。|いしだ壱成オフィシャルブログ

 

恐らく原発のある地域ではどこも同じような事が起きているでしょう。
原発を推し進める人たちと原発に反対する人たちの対立。
そしてそれは彼の言葉からわかるように人を正気から狂気に変えてしまう。

彼の記事中にあった原発建設計画が持ち上がっていた串間市のホームページを見ました。そこの掲示板を見るとかなり以前から活発な議論がされてはいるものの、基本的には推進派と反対派では平行線(福島第一原発事故が起こった後ですら)。中にはかなり過激な意見も書き込まれていたりして、人と人の暴力的な対立があったのかまではわかりませんが対立の激しさは伝わってきます。

同じようにそれまで仲の良かった町の人たちの和が意見の対立で壊れてしまったというのはよく聞きます。私の住む新潟でも過去に巻町(現:新潟市西蒲区)で原発誘致の計画があり、最終的に計画は中止となりましたが、町民の間では推進派と反対派で激しく対立していたというのを地元の方から聞いたこともあります。

原発の是非とは別に、同じ日本に住む人たち同士がこんな争いをするなんてすごく悲しいことです。

過疎化が進み、大きな産業もない地域では原発誘致によって受ける恩恵は大きい。実際、福島だってそうだったろうし、新潟の柏崎市・刈羽村も同様、串間市も巻町も同様でしょう。

しかし今回の福島第一原発事故でそのリスクの甚大さに気付いたはず。

別に原子力である必要はないですよね?昨日書いた東日本ソーラーベールト構想とも繋がりますが、原子力の代わりに自然エネルギーでもいいはずです。原発に反対する人はそのリスクを恐れているわけですからトラブルが起きてもそれによって人が死んだり病気になったりしない自然エネルギー施設であれば問題ないですよね。自然エネルギーにも発電効率や安定性・コストなど課題があるし原子力のような多額の交付金は期待できないかもしれないけれど、そこは政府や自治体が産業・雇用が生まれるような仕組みを作って地域が成り立つ後押しをしてあげればいいんです。

生命の危険に脅かされる悪魔の機械で人が争うのはもうやめにしましょうよ。

東日本ソーラーベルト構想

昨日開かれた民主党の復興ビジョン会合にてソフトバンクの孫正義氏が「自然エネルギー財団」の創設と「東日本ソーラーベルト構想」を提案した。
これはUSTREEMでも生中継され、私も録画で見ました。
約52分あるのでちょっと見るの大変ですけどお時間ある方はどうぞ。

USTREEM-孫 正義 講演 「震災復興に向けて」

この会合で孫氏は、1.復興支援に向けて、2.原発問題について、3.エネルギー政策の転換、の3点を柱にプレゼンし、最後の3点目「エネルギー政策の転換」で冒頭に述べた「自然エネルギー財団」と「東日本ソーラーベルト構想」が出てきます。

実現性についてはともかく、影響力のある人がこういった提言をするのは非常に良いと思います。プレゼン資料の中で管総理が「(既存の原発について)これまでの安全基準でいいか再チェックする必要がある。」「(原発の新規計画について)白紙から検証をしなければならない。」「原子力の安全性を求めると同時に、クリーンエネルギーに積極的に取組んでいく。」との発言があったと紹介されていましたが、私の記憶には「そういえばそんなこと言ってたかも」くらいのイメージしかなく、それはつまりメッセージとして非常に弱かったということかもしれません。本来であれば管総理自ら強いメッセージ性を持って国民にこういう道筋を示してくれるのが望ましいところ。今後政府が孫氏の提言をスルーしないことを強く希望します。

で、この東日本ソーラーベルト構想、概要としては今回の震災で海水に浸かったり放射能の影響を受けたりして農業ができなくなった田畑に太陽光や風力、地熱などの自然エネルギー発電設備を整備し、既存の原発を段階的に廃炉しながら原子力から自然エネルギーへの転換を図り、それによって被災地での産業や雇用を生みだしていくというもの。
実現には当然のことながら地元の意向もあるだろうし、津波が及んだ地域は原発でなくても再び津波の被害を受けるリスクもあると思いますが、方向性としてはとても理想的です。
また、合わせて太陽光発電の20年に渡る全量買取制度も提案しており、これは実際に数年やってみてわかりましたが現状の余剰分10年買取ではとても元なんて取れませんから実行されれば更に太陽光発電の普及が加速されるのは間違いありません。

あとは技術的な問題やコストなど越えなければいけないハードルは多いのですが、やはり大切なのは道筋を示すこと。

福島第一原発事故が起きた後でも未だに原発必要論を説く人がいて、政府の視線も原発がなくなることを望む人たちより原発がなくなったら困る汚れた人たちの方を見ているような印象があります。
国民が本当に望んでいるのは何なのか。
今なお放出され続ける放射能に怯え、いつトラブルに見舞われるかわからない原発に囲まれ、何万年の先の子孫にまで放射性廃棄物を押し付ける、そんな暮らしを望んでいる人はいないはずでしょう。

孫氏の提言する「国民全員が安心できる社会」の実現に向けて、政府が確かな道筋を示してくれることを期待します。

オール電化は悪者か

震災によって福島第一原発がトラブルを起こし、計画停電が行われるようになった頃からオール電化への風当たりがずいぶん強くなっているように感じます。
節電節電言ってる時にオール電化は湯水のように電気使ってるよーなイメージがあるんでしょうね。
電力会社が積極的に勧めてたってのもあったし。

はい、すみません。ウチ、オール電化です。

ただ、オール電化は実態よりそのイメージばかりでバッシング受けてるような印象もありますが、全てのオール電化家庭でいっぱい電気使っているというわけではありません。一般家庭で使われる電力で大きく占めるものとしてはエアコン・冷蔵庫・テレビ・照明あたりが挙げられますが、これらはオール電化でもガス併用でも同じく使うものばかりですよね?つまりガス併用の家庭がエアコンをガンガン使ってたりすると、エアコンをガマンしているオール電化家庭よりかえって電力消費が多いケースもあるわけです。オール電化とガス併用で決定的に違うのはコンロと給湯だと思いますが、残念ながらIHだけはピーク時間帯と重なりますからここはオール電化のウィークポイントかもしれませんけど、給湯に関しては夜間の電力需要の低い時間帯にお湯を沸かしますので電力を圧迫しません。あとは暖房にエアコンを使うところを石油ファンヒーターにすれば冬季の電力は抑えられます。実はオール電化住宅で暖房も全て電気(つまり火を使わない)にすると住宅の火災保険が若干安くなるというメリットもあったりするんですが、冬の新潟ではエアコンよりファンヒーターの方が断然効率いい(と思ってる)のでウチはそれにはしませんでした。夏場はオール電化もガス併用も等しくエアコン使うでしょうから、どちらも極力設定温度を上げたり扇風機を使ったりで節電に努めるしかありません。あとは太陽光発電の普及が更に進めば夏場の節電には効果的でしょう。

ね?オール電化が必ずしも悪者ではないということがわかったでしょ?

つまりはオール電化だろうがガス併用だろうが節電はみんなの努力が必要だってことです。