セシウムさん

東海テレビの番組で「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」と放送してしまった件、当然の反応ながら激しい非難を受けております。これはもう完全に自業自得ですから非難を真摯に受け止め、反省する以外にありません。事の経緯としては本番で使わない仮テロップが誤って表示されてしまったということだそうですが、仮テロップにわざわざそんなワードを使うというところに問題の本質があるような気がします。

例えばウチでもホームページを作る際にはお客様から原稿を頂くまでの間に仮テキストを入れるというのは日常的に行っていることですが、「仮」のテキストに意味のあるワードを使う必要はありませんし、その内容を考える労力もまったくのムダですから、通常は「○○○○○○○」とおおよそ入るであろう文字数を○で入れていくだけ。仮テロップに使う当選者のお名前にしたって人名なんてだいたい3~6文字くらいでしょうから、3~6個の○で入れときゃいいだけのことです。

それがああやって悪ふざけしてたのが表に出たということは、東海テレビスタッフの間では日常的にそういう悪ふざけが行われていたとも考えられ、それと同時に今回の震災・原発事故に関して緊張感とか危機感とか心情的配慮とかそういうものが麻痺してきているのではないかと思ってしまいます。

愛知県くらい福島から離れていると原発事故や放射能の影響は他人事なんでしょうか。別世界の話なんでしょうか。

テレビじゃなくても某掲示板などを見ていると匿名(と思ってる)をいいことに震災や放射能をネタに笑っている人たちがたくさん見受けられます。

もうすぐ震災から5ヶ月。もう過去の出来事なんでしょうか。

今でも地震や津波で被害を受けた地域では復旧・復興が進んでいないところがまだまだたくさんあります。今でも避難所暮らしをしている人もたくさんいます。原発も未だに放射能を出し続けています。食品の放射能汚染はこれからもどんどん拡大していくでしょう。

震災も原発事故もまだ何一つ終わっていません。
過去じゃないんですよ、現在進行形なんです。

他人事のように悪ふざけして笑っていた東海テレビスタッフももうすぐ笑っていられなくなります。
そう遠くないうちに。

スルースキル

福島第一原発事故のあと、中学生ながらあまりにもストレートな気持ちをブログで綴ったことで話題になった本人称B級アイドル・藤波心。

批難覚悟で・・・・|藤波心オフィシャルブログ『ここっぴーの★へそっぴー』

その後も各地で行われる脱原発デモやイベントに参加したりテレビや本などでも脱原発を訴えるなど精力的に活動して多くの支持も集めているんですけど、その一方で彼女の考えや行動に反発する人も非常に多いようで、彼女のtwitterを見てるとこれがまぁトンチンカンな因縁つけてるよーなアホがいっぱいいるんですわ。

彼女の考えや文体には確かに幼いところはあるかもしれない。
でも、基本的に彼女の言ってることって間違ってないと思うんですよね。
正しいか正しくないかに子供も大人も関係ない。
中学生なりに思ったことをそのまま素直にぶつけているだけ。
未だに「原発は必要」「放射能は安全」とか言ってる高学歴で偉そうな肩書きつけた大人の方がよっぽど歪んでますよ。
はい、私も彼女を支持します。

そして、彼女の考えに共感するのと同時に、彼女のスルースキル・・・いや、正確に言えばイチャモンにレスしちゃってるんで完全スルーじゃないんですけど、その切り返しのうまさ・信念のブレなさにはおじさんすっかり脱毛です。

単に世間知らず、怖いもの知らずなのか・・・・・このコ、ホントに中学生?
中学生の皮を被った、悟りを開いた80歳じゃないかと思えてきます。
いや、ウラでドキドキしながら書いてるのかもしれませんけどね。

噛みつかれると子供のケンカみたいになっちゃう私は彼女の爪の垢でも飲んだ方がいいかもしれません(汗)

豪雨の爪痕

あの新潟・福島豪雨以降、新潟市はあの大雨がウソだったように晴れた日が続いています。

しかし、ニュースでは被災地のその後の様子が映し出され、浸水した家屋には大量の泥、信濃川河口の水門には大量のゴミ、海水浴場でも大量のゴミ・ゴミ・ゴミ・・・・・。これらの撤去作業、考えただけでも気が遠くなりますが、土砂やゴミについては散々報道しているのに放射能について触れているメディアがあまり見受けられないのはどういうことなんでしょうね。

ちょうど豪雨の前、こちらの記事(ECRR議長・バズビー博士が内部被曝について重大な警告 | カレイドスコープ)で、福島県会津若松市でテルルと思われる核種が検出されたという話がありました。テルル129mは自然界には存在せず、半減期は33.6日と短い。福島第一原発1号機で水素爆発が起こったのが3月12日でそれから4ヶ月以上が経過しているということは、およそ1ヶ月で半分、4ヶ月経てば1/16になっているはず。それが7月21日の時点でテルルと思われる核種が計測されるということは3月の水素爆発によって放出されたものではなく、比較的最近放出されたものである可能性が高く、つまり福島第一原発では現在も再臨界している可能性があるということです。しかも検出されたのは原発30km圏内ではなく原発から約100kmも離れた会津若松市・・・・。

新潟市に注ぐ阿賀野川は遡って行けば会津若松まで辿り着きます。大雨に関係なく阿賀野川には常に水が流れていますから状況としては同じかもしれませんが、今回の大雨では空気中に放出されている出来立てホヤホヤの放射性物質が雨で地表に降り注ぎ、泥と一緒に阿賀野川へ入っていったかもしれません。そして放射性物質は大量のゴミと共に日本海に流れ込んでいるかもしれません。川岸や河口に溜まったゴミの放射線量を測定してみればすぐわかることだと思いますが、県も市町村もそういった対応はしてるんでしょうか。やってて公開しないのか、それともそういう頭がないのか・・・・。源流が異なる信濃川もあの大雨では条件同じかもしれませんしね。とりあえず今後しばらくは河川敷には近づかず、海水浴も行かないことにしました。

また、コメも心配です。
原発事故直後から水田への影響は心配していましたが、今回の大雨でとどめを刺したかもしれません。
これからコメの検査も始まるようなので、合わせて浸水した田畑の放射線量測定もした方がいいでしょうね。

Meltdown/Vinnie Moore

かなり昔ですが、一時期好きで聴きまくってました。
ヴィニー・ムーアというギタリストです。
でもあんまり詳しくはないです。
この人、メジャーなの?マイナーなの?

まぁね、まさかあの頃こんな形で「メルトダウン」なんてキーワードを耳にすることになるとは思いもしませんでしたよ。

ところで・・・・、

福島第一原発事故工程表ステップ1の目標が概ね達成とか言ってますけど、メルトダウンで核燃料が地下まで溶け落ちてるのに、それを循環冷却ってのはよく意味がわかんないよね。
だってもう器がないわけでしょ?注いだ水は地下に沁み込んでるんでしょ?
注いだ水を100%回収できなきゃ循環冷却って言わんでしょ。
あぁ、だから循環「注水」冷却って言うのか。
ともかく、何をもって目標達成って言ってんのかわかんない。
あぁ、だから「概ね」達成って言ってるのか。

言い訳や言い逃れだけはピカイチですね。

お墓に避難

6月下旬に南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳のおばあちゃんが自殺されたそうです。
各ポータルのトップニュースにも出ていたのでニュースを読まれた方も多いでしょう。
おばあちゃんが残した遺書には「私はお墓にひなんします ごめんなさい」と記されていたそうです。

こんな悲しいことってない。

ニュースを読んで・・・・胸が締め付けられる思いと共に涙があふれました。

 

基本的に私は自殺を一切擁護しません。いかなる理由があれど、どんなに苦しい思いをしていたとしても、親から授かった命を自ら絶つのは決して許されない行為だと思っています。世の中には病気や事故、あるいは他人の故意によって命を失う人がたくさんいます。今回の震災でも多くの方が亡くなりました。生きたくても生きられなかった人たち。私たち生きている者はその人たちの分まで生きなければなりません。当然、人の命を殺めるなど言語道断。子を持つ親となってその気持ちは更に強くなりました。

しかし、このおばあちゃんを非難することはできない。

本来であればこの先天寿を全うするはずで、本人も家族もそれを望んでいたはず。
いつまでも長生きしてほしいと皆願っていたはず。
それがたった一度の原発事故で自殺という選択に至ってしまった。
このおばあちゃん以外にも震災や原発事故によって人生を狂わされた方が自ら命を絶っています。

こんな悲しいことってないです。

地震や津波は我々人間の力で防ぐことはできない。それでも人は過去の経験から学び、それらの被害をできるだけ少なくするように防災に力を注いできました。東北ではチリ地震津波を経験した先人の教えを受け継ぎ被害を免れた地域があったと聞きます。阪神淡路大震災や中越地震での経験が被災者救援や被災地支援に活かされてもいます。最近は防災と共に「減災」という考え方も多く語られるようになりました。こうしてまたいつ来るかもわからない災害に備え、生活の知恵を蓄えて人は生きてきました。

それなのに原発はどうだ。

これだけ大きな被害を出し、多くの人の健康や生命を放射能の恐怖に晒し、故郷にも戻れないたくさんの人がいるというのに、一方では止まっている原発を再び動かそうとしている。

できることなら経験したくなかった経験を我々はしてしまった。
ならばそれを教訓として学ばなければならない。
地震や津波をコントロールすることはできなくても、原発は止めることはできる。
再び動かすのは人間の判断で自然現象ではない。

 

おばあちゃんが自らの命と引き換えに残した言葉。

これを読んでもまだ原発を起動するスイッチを押せるのか。

 

おばあちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。